講師 石井頼子さん(棟方志功研究・学芸員)

民藝運動の創始者柳宗悦と版画家棟方志功は1936(昭和11)年4月に初めて出会い、それは、東京駒場の日本民藝館が開館する半年前のことでした。以来柳が没する1961(昭和36)年までの25年間、棟方は柳にすべての新作を届け続け、その中で柳の眼に叶った物だけが、民藝館に収められています。
「究極の師弟関係」を結んだ柳と棟方。講演会冒頭、講座の名称について、「祖父棟方志功と柳宗悦」から「柳宗悦と棟方志功」へと変更した理由について「棟方は、柳先生の先に自分の名前が出ることを良しとしなかった」とご説明されました。柳と棟方への強い思いを感じさせるものがありました。
 棟方の「板画」作品を多数紹介しながら、柳と出会う前、柳と出会って交流し、研鑽を積んだ時代、柳がなくなってからの時代として、「柳」前、「柳」期、「柳」後と大きく3つの時期にわけてわかりやすく棟方の人生について解説していただきました。、
 お孫さんならではのエピソードなどもあり、参加者が熱心に聞き入っている姿が多くみられました。
講演会終了後は、文学館にお越しくださり、展示をご覧いただきました。

 

この講座はNPO法人ふれあい塾あびこと我孫子市教育委員会の共催により開催いたしました。