2014年6月24日火曜日

企画展「柳宗悦展-出会いと絆の地、我孫子」

 暑い日が続いておりますが、体調管理には十分お気を付けください。さて今回は7月からはじまる企画展と関連イベントのお知らせをいたします。

企画展「柳宗悦展-出会いと絆の地、我孫子-」  7月3日(木曜日)から9月28日(日曜日)まで

宗教哲学者、思想家、美学者、そして民藝運動の父、柳宗悦。宗悦は、1914(大正)3年9月初旬25歳の時に我孫子へ移住し、1921(大正10)年3月までを過ごしました。我孫子での活動は、宗悦にとってかけがえのないものであったといえます。
 『白樺』同人として西洋美術の積極的な紹介に努め、特にロダンとの交流により手に入れた彫刻は、朝鮮半島で教員をしていた浅川伯教を我孫子に導き、民藝運動の基礎となる朝鮮陶磁器「秋草文面取壺」との出会いをもたらします。
 陶芸家バーナード・リーチとの絆を深め、浜田庄司との出会いもここ我孫子の地でした。そして『白樺』同人である志賀直哉、武者小路実篤を我孫子に導き、生涯にわたる絆をここで結んだといっても過言ではありません。また我孫子の地は、宗悦にとって妻兼子との新婚時代を過ごした地であるとともに、初めて自らの家庭を築いた地、つまり家族の絆を築いた場所です。

柳宗悦にとって我孫子は「出会い」と「絆」の地
であったといえます。

 本企画展では、我孫子来訪100年を記念し、「出会い」と「絆」をコンセプトに、日本民藝館所蔵品を中心に宗悦の我孫子時代の活動を紹介します。
 
 
 


続いて関連イベントの情報です。

いずれのイベントも7月1日(火曜日)から電話にて受付いたします。先着順となりますので、あらかじめご了承ください。

関連イベント(1)「朗読のひととき」 7月12日(土曜日)


募集は終了しました。

今年2月末に寄贈された柳兼子愛用ピアノをテーマとした朗読会を開催します。兼子のインタビューや、子供向けのピアノを題材にした作品などを朗読します。朗読の合間には当時の歌声をお聴きいただきます。

日時
7月12日(土)14時~1時間程度
会場
白樺文学館地下音楽室
定員
先着20名(電話で要予約)
出演
飯野堯子さん、田中宏子さん、
萩野谷肇子さん、星崇恵さん
演目
柳兼子「我孫子の頃」
 
柳兼子「芸を語る」
芥川龍之介「ピアノ」 
 
立原えりか「ピアノのおけいこ」
参加費
無料(ただし入館料がかかります)



 

関連イベント(2)平成26年度 日本民藝夏期学校公開講座参加者募集


募集は終了しました。

 日本民藝夏期学校は、民藝運動の創始者柳宗悦の教えを学ぶ学習の場です。昭和48年以来全国の民藝ゆかりの地で開催され、今年は我孫子市が開催地の一つになりました。8月9・10日(土・日)開催され、9日の2講座については市民の皆さんに公開します。ご応募をお待ちしています。
講座(1) 「柳宗悦と『白樺』」
講師:日本民藝館学芸部長  杉山享司さん

時間:午後1時30分から午後3時

講座(2) 「柳兼子のこと~時代とのかかわりの中で~」
講師:作家 多胡吉郎さん

時間:午後3時30分から午後5時

受付開始
0時30分(開校式 午後1時)
会場
アビスタ・ホール
定員
100人
(電話で希望講座を予約:2講座受講可)
主催
日本民藝協会 我孫子市教育委員会
参加費
無料
 
この夏は白樺文学館へGO!!
ご来館お待ちしております。

公開講座「有島武郎と下総」

2014年6月23日(月曜日)開催

講師 上牧瀬香さん(早稲田大学本庄高等学院国語科教諭)

 白樺派の一人、有島武郎がドイツ文学者浦上后三郎にあてた書簡2通が、当館へ寄贈されたのは、2012年12月。その後新聞にも取り上げられ、その書簡について『有島武郎研究』16号(2013年6月)にて資料紹介されました。今回はその資料紹介をしてくださった、上牧瀬さんにご講演いただきました。

 有島は白樺派の中でも最年長の同人として、本格的な作家活動は1917(大正6)年から1923(大正12)年までと非常に短いものでした。しかしその短い中で作られた作品は、どれも魅力的で「或る女」は大ベストセラーとなります。45年という短い生涯でしたが、密度の濃い有島の人生、作品について、スライドを使いながら解説していただきました。

 終了後は、午後3時まで臨時開館して、浦上后三郎宛有島武郎書簡を展示し、寄贈者の植栗様にもご来館いただきました。今後は、常設テーマ「白樺派と我孫子」での展示に活用していきたいと考えています。

 
この講座はNPO法人ふれあい塾あびこと我孫子市教育委員会の共催により開催いたしました。